トヨタ生産方式は、常に改善を目指すため、

働く人にはつらい方式ですが、職場を守るためには強い会社が必要なのです。





大野耐一 工人たちの武士道

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)


●著者紹介・・・若山 滋

 1947年生まれ。大学院卒業後、建築事務所を経て、助教授。
 現在、名古屋工業大学大学院教授。


●仕事をしていく上で、何といっても大切なことは、会社全体を
 見るということだと思います。大きな会社では、関係会社まで
 含める必要があるでしょう。

 ・大野はこの作業標準手順を、自分で決めるのではなく、組長や工長
  など現場の人間につくらせた。・・・<問題は、部分的に効率を
  上げることじゃない。全体が流れるようにしなければ>
  それが大野の信念である。(p141)


●いかに優れた人であっても、自分の持ち場だけの効率を考えて
 いては、会社全体の効率を落としかねません。

 しかし、実際には、私のサラリーマン生活の経験からも
 そのような部分効率を優先する事例は多いのではないでしょうか。


●トヨタでは昔から、その工程に問題があれば、ラインをすぐに
 止めて、その場で問題を解決するという方針をとっていたようです。
 しかし、業界ではラインを止めるなどとんでもないというのが常識
 だったのです。

 ・「どんなにラインが止まっても、どんなに効率が落ちてもいい。
  問題があったら、その場で対処しろ」それが大野のやり方だった。
  (p176)

 ・「それぞれの工程で完全に作れば、製品検査など必要ないのだ」
  それが大野の信念であり、思想であった。(p178)


●つまり、これは、ラインを止めないことで、見かけ上の効率を
 維持しようとするものですが、全体で見ると、後で製品のやり直しが
 発生して、全体効率は落ちることになるのでしょう。


●ついに生産台数世界一となったトヨタの生産方式は一日にしてならず、
 ということがわかる良書です。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・生き残るには少しでも安くていいものをつくって売れるように
  しなければいかんのだ(大野)(p131)


 ・大野はどんなにレア・ケースであっても、必ずその原因を
  突き止め、改善するよう指導した。問題を追及するために
  「『なぜ』を五回繰り返せ」と教えている(p187)


 ・工場の床にチョークで円を描き、「一日観ていれば、何が問題か分かる
  はずだ」といって、組長や工長をそこに立たせた。時によっては、相手
  がわかるまで自分も立ちつづけたというから、かえって厳しい。(p211)


「大野耐一 工人たちの武士道」
若山 滋、日本経済新聞社(2005/10)¥1,575
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)


【トヨタ生産方式とは】
大野耐一らが体系化したムダの排除、ジャストインタイム、改善などを柱とした生産方式。

そのほかにも、カンバン方式、多能工、自働化、あんどん、カタログエンジニア、混流生産、作業標準など数多くの手法、キーワードを作っている。


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